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▼ vol.1 足柄刺繍 上田菊明

 小田原市を中心とした地域では、明治より昭和にかけて栄えた刺繍産業があった。上田氏は縫箔を家業とする家に生まれ、16歳頃から本格的に家業を手伝うようになった。
 昭和30年代には仕事もほとんど無くなり、産業が衰退していく中、一人、縫箔の技を守りながらその作品を芸術の域にまで持ち上げた。上田氏に刺繍にかけるその思いをうかがってみた。

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工房にて、糸のこミシン

木象嵌 内田定次 5

━ 内田さんは自ら展覧会に出品されたりということは無いのですね?
 頼まれてここに出してくれっていわれて出すことはあっても、自分から出すことは無かったねえ。職人はそんなことしちゃいけないんだよ。ただ、作り続けるだけだよ。
確かに浮世絵とか、手の込んだものを手掛けるようになってからは取材も増えたように思うけど、それで変わったということは何もないよ。
━ 内田さんは卓越した技と、長年にわたる功績で勲六等瑞宝章を受勲されていますが、そのときはやはり嬉しかったですか?
 嬉しくないといったら嘘になるけど、みんな女房のおかげだよ。
━ 内田さんに習いたいという若者が出てきたらどうされますか?
 そりゃー嬉しいよ。だけどもう無理だね。もう、教えられないよ。
━ 最後に振り返ってご自身の木象嵌人生には満足されていますか?
 まだまだ、満足なんかしてないよ。満足のいく糸鋸が出来ないので、中途半端な仕事は残したくないからもう作らないけどね。もし、それが出来るようになったら、最後に仏画をやってみたいよ。
この取材や撮影等、ご協力いただきました山口幸一さん(木象嵌師)に、あらためて感謝申し上げます。
この取材を終えた後、内田定次さんはあらためて製作への意欲を持たれているとうかがい、新作を心待ちにしていましたが、残念ながら平成22年7月 14日に逝去されました。心からご冥福をお祈りいたします。

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[印刷協力] 文化堂印刷(株) [翻訳協力]Kidsman English / 駒裕司、Shane Pole

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